月別アーカイブ: 2014年12月

ミッション インポッシブル② 1ケ月間で90才のアパートの住人を円満退去に導き、事業用土地を高値で売却せよ!

お客様より遊休地を処分したいとご相談が有りました。結構な広さの敷地で、一戸建ての住宅が何軒も建つ大きさの土地でしたが、大きな問題がひとつ、敷地内に古アパートがあり90歳の方が1人でお住まいなのです(他のお部屋は全て住人が引越し済で誰も住んでおりません)。その土地を売却するには、その高齢者の方にお願いして退去して頂き、アパートの建物を解体撤去し更地にする必要がありました、もし、アパートからの退去を拒まれた場合は居住人がそのまま住み続ける為その土地は残念ながら事業用土地(戸建やマンションの建築用土地としての更地渡し)として売却する事ができません。通常、立ち退きについては話がこじれる事が多く、また、交渉に成功するケースでも長期交渉になり数年を費やすことも珍しくありません。

一番難しかったのは、居住人の転居先の物件を探す事でした。そのエリアの賃貸物件は沢山あるのですが、入居者が90歳の高齢者で1人暮らしとなりますと、老齢者の孤独死などの社会問題がある為、どの大家さんも受け入れて貰えませんでしたが、あきらめずに転居先を探し続けた所、居住人にとって快適で比較的新しく、間取りも理想的で受け入れて頂ける物件に巡り合うことが出来ました。

居住者様に所有者様が土地売却を希望されている事の説明しました所、『良い転居先があるのなら、移ることも検討しても良い』とおしゃって下さり、後日、転居可能な住居をご案内しました所、今よりも住環境が良くなるのを気に入って頂き、転居することに快諾して頂きました。また、お近くのお身内の方が保証人になって下さった事も追い風となりました。

そこで、次の事を念頭に居住人の立ち退き・転居を進めました。①居住人に不安や心配など精神的な負担をかけない事 ②移転先の住居が今のアパートより条件が良く住みやすい事 ③居住者に金銭的な負担を一切かけない事 ④居住人が引越し準備をしなくて良いように、引越しおまかせパックを使う事。

今回、土地の所有者様の御好意で90歳の方の移転先に新品のベッド、家電製品をご提供頂き、居住人様も大喜びでした。お陰様で話がトントン拍子に進み、売却希望の土地の所有者様も退去される居住人の方もウィン・ウィンで円満に解決いたしました。

当初、90歳のご高齢の居住者の転居先を見つけ、転居・引越しをして頂くのは誰もが長期間を要し、難しい交渉となることを懸念しておりました。しかし、今回1ケ月という短期間で交渉、転居先の手配、退去までを円満に終えることが出来ました。諦めずに粘り強く物事に接する事、人には誠意を持って接する事、どんな小さな質問でもすぐに分かりやすい言葉で回答する事の大切さを改めて勉強させて頂きました。お蔭さまで、その土地は高値で売却する事が出来、売主様にも大変喜んで頂きました。どんな、難しい不動産の売却ケースでも、粘り強く解決にむけて、お客様の満足の行きますよう取り組みますので、ご相談下さい。(特に相続がらみで売却を希望しながら、身内で土地の売却話が進まないケースなど。)

ミッション インポッシブル① 約1億円の豪邸を売出しから20日以内に契約せよ!

今年を振り返れば仕事上色んなことがありましたが、その中でも最も忘れられない経験が今回のお話です。

売主のお客様は外国の方で本国に帰国する為に、自宅の売却相談が当社にございました。ご自宅は神戸の山の手の邸宅で、査定の結果、約1億円で売出しをすることになりました。しかしながら、帰国とのタイミングで50日以内に取引を完了しなければならないという事が判明しました、それはつまり、逆算すると20日以内に契約しないと取引が成立しない話なのです。どういことかと言いますと、通常1億円近い不動産物件の取引の場合、住宅ローンを組み、銀行から購入代金を借りて支払いますので、そのローンの申込から実際のローン貸付(融資の実行)までの期間がどうしても約30日(審査や融資機関との契約等の期間)必要なのです。つまり50日(帰国までの日数)-30日(契約後の借入手続き等に必要なに日数)=残り20日です、20日以内に当社が買主様を見つけ出し契約に漕ぎ着けないと、売主様は自宅が売却できないまま本国に帰国することになり、窮地に立たされるという訳です

当社は高級物件も取り扱っておりますので、富裕層の顧客も数多くいますし、私の個人的なネットワークで高級物件を提案させて頂くルートも数多く持っております。通常でしたら『高額物件ですが、お任せ下さい』と胸を張ってお受けするのですが、さすがに今回の20日以内に契約というのは非現実的です、なぜなら高額物件になればなるほど購入できるお客様が限られ、売却に時間を要するからです

売主様にそこの所をご説明し、それでも良ければ当社にご依頼くださいとご説明をしました所、リスクを納得の上で売主様から当社に売却のご依頼を頂きました。当社に売却をまかせて頂いたからには、意地でも20日間で売買契約してお客様のご期待に応えなければという使命感がこみ上げて参りました。

まず、戦略です。当社は特にマーケティングが得意ですので、客観的にその豪邸の強み、弱み、可能性、リスクを分析し、また、かなり時間をかけ売却物件を細部まで観察し、徹底的に近隣・周辺の市場調査を行いました。その結果、この豪邸をどの様にアピールするのが一番効果的か、またアピールすべき顧客層、居住エリアなどを統計的に割出し、そのための独自の宣伝プロモーション、周知活動を短期間で徹底的に実行しました。当社はマーケティング力・分析力・提案力においては、他社では真似できないと自負しております。

これらの戦略を実行したお蔭で売出し当初から約1億円の物件にしては反響が大きく、結構な数のお客様が内覧にお越しになられました、その結果、売り出しから12日目にご案内したお客様より買付証明書(売主様に購入希望しますという意志表明書)を頂き、その後トントン拍子に話がまとまり契約に至りました。なんと、当初不可能と思われていた売主様の帰国まで(50日間)にご自宅を売却することが出来たのです。今回は運も味方してくれたと思いますが、諦めなければ道は開けるという事を身を持って経験致しました。買主様も良い方で、『思い出のたくさん詰まった家を手放すのは寂しくて心が痛むが、買主様が良い人で本当に良かった』と売主様は申されておりました。売主様は設計・デザイン・材質選定までこだわり完成させた注文住宅の豪邸でしたから、ご自宅に対する思い入れは相当なもので、愛娘を新しい嫁ぎ先に送り出す気持ちにだったと思います、愛娘を大事にしてくれて一緒に素晴らしい時を刻んでくれる愛娘のパートナー(買主様)が素晴しい人柄なので安心して本国に帰れると感じられたようです。

売出し20日以内に買主様を探し出し契約をし、50日以内に売買を完了させるというミッションインポッシブルを達成したのは私にとっては達成感あふれる仕事でしたが、振り返れば、売主様と買主様のご縁をつなぎ、大切な愛娘(売主様の思い入れのご自宅)の素晴らしい嫁ぎ先へのお手伝いが出来た喜びの方が大きかったです。これからも、買主様は売主様のお気持ちを酌んでそのおうちを大切にして下さることでしょう。