不動産の不思議 『一物四価』とは!?

一般の商品には大抵値段がついています。例えば、消費税の内税・外税の表示はあるにせよ、デパートの売り場で1つの商品に付いている値札は1つだけですよね! 1つの商品に値札が4つ付けてあって、それぞれ全く異なる金額が表示されていたら困りますよね。

なんと不動産の世界では、それがあるのです。一物四価』と申しまして、1つの不動産物件に、4つの値段(評価)があるのです。目的別に別々の管轄部署が値段(評価)を付けるので、このような事が起こるのです。

まず1つ目の価格は『実勢価格』です。市場で実際に売買される価格です。売主と買主の合意で価格が決定されます。

2つ目は『公示価格』です。これは、国土交通省が標準値を選び、1月1日時点の土地の正常な価格を判定して3月に公示します。建物は無いものとして、土地の値段だけを決定します。公示価格は一般の土地取引の指標になります。しかし、実勢価格と公示価格はイコールではありません。概算ですが、実勢価格(実際の取引価格)は公示価格の80%〜120%位という所でしょうか。

3つ目は『路線価』です。路線価は国税庁が相続税や贈与税のの評価を算出する為に、道路に価格をつけたものです。その路線価に土地面積を掛けて相続税を算出します。路線価は毎年1月1日時点の評価で決定され、8月に発表されます。通常、路線価は公示価格の80%位です

4つ目は『固定資産税評価額』です。固定資産税を賦課するための基準となる評価額です。市町村が1月1日時点で不動産の所有者に固定資産税評価額額を基に課税する税金です。3年に1回評価額の見直しがあります。通常、固定資産税評価額は公示価格の70%位です。

いかがでしたか? 用途に応じて4つの不動産の価格(評価額)があるという話でしたが、公示価格の発表時にあなたが住んでいる所が、また周辺がいくらなのか興味を持って頂けますと何よりです!